ステンレス鋼(stainless steel)
ステンレス鋼は鉄に一定量以上のクロムを含ませた腐食に対する耐性を持つ合金です。規格では、クロム含有量が 10.5 %(質量パーセント濃度)以上、炭素含有量が 1.2 % 以下の鋼と定義されています。ステンレス鋼は表面に不働態皮膜と呼ばれる特殊な皮膜を形成し、金属がイオンとなって水に溶け出て行くのを防いでいます。この不働態皮膜(1nm-6nm)の構造は外層が水酸化物、内層が酸化物(Cr2O3 :Cr3+濃縮)の2層で構成され、ステンレス素地とは水酸化物イオン (OH−) を介して結合していると考えられています。仮にステンレス鋼表面が傷つき皮膜が破壊されたとしても、水分があれば瞬時に新たな不働態皮膜を形成し耐食性が維持されます。ステンレス鋼はその耐食性から厨房、食品会社の機器、架台、漁船のパイプなど様々な用途に使用されています。
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参考文献
1)https://www.jmsltd.co.jp/media/airticle/a41
2)https://www.kansaicenter.imr.tohoku.ac.jp/_userdata/kinzoku_s_2.pdf